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平成26年10月2日開催 21世紀の健康づくりシリーズ 第64回「胃がん早期発見~ABC検診とピロリ菌~」1

      2016/01/29




基調講演 『胃癌リスク検診の概要 ―X線検診からリスク検診へ―』
そが内科クリニック 院長 曽我 忠司 氏


 これまでの胃がん検診は、バリウムを飲んでX線検査を行い、胃がんの疑いのある人に胃カメラ検査を実施するものでした。昨年度からはX線検査のかわりに採血で胃がんリスク診断を行い、リスクの高い方に胃カメラ検査を実施するやり方に移行しました。
 胃がんになるリスクの高いのはピロリ菌に感染して萎縮性胃炎になっている方です。このような人の胃がんリスクはピロリ菌に感染したことのない人の100倍と言われています。またピロリ菌に感染している人は近年減少傾向であり、特に若年者ほど感染率が低いことが判っています。そこで、まず胃がんリスクの高い人を選別し、この方たちに胃カメラ検査を受けていただくのが効率のよい胃がん検診です。
 胃がんリスク診断では採血検査でペプシノーゲン値とピロリ抗体を測定し、この結果からA、B、C、Dにリスク判定します。A判定はピロリ菌に感染したことのない健康な胃ということなのですが、ピロリ菌の除菌治療後もAと判定されてしまいます。また除菌治療を受けた覚えのない方でも除菌されていることがあります。しかし除菌後はAと判定されても胃がんのリスクは高いと言われており注意が必要です。
 そこで、明石胃がんリスク検診では、これら偽A群への対策として、胃がんリスク診断に追加判定基準を設けており、A判定の一部の方に精査を勧奨しています。
 明石ではH25年度より胃がんリスク検診が開始されました。その成果は次の演題で報告されますので、リスク検診を受けていただくにあたっての留意点を述べておきます。

・明石市医師会ホームページはこちら

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